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慣らされた日本国民

2011年07月15日

今年も一杯のビールがおいしい季節となった。

小生の友人にこの熱い夏に禁酒を言い渡されじっと我慢しているけなげな人がいる。

 

肥満と運動不足で心臓に不整脈が現れ、血液をさらさらにする薬をのまされ、大好きな納豆は食い合わせ悪い為食べられず、薬は5錠で高価な上のみ続けなくてはならず、大好きな山登りも心臓に負担が来ると制限されるはめとなったのである。ついに医者に泣きつき何とかしてくれという事になり、カテーテルによる病源を焼き切る手術を受ける事になった訳である。

 

術後は順調で脈も正常になったのだが、医者より「当分は酒はだめです。」「当分とはどれ位でしょうか。」「3ヶ 月はだめ。」とのお達しに、何時に無く従順でじっと「死ぬほど辛い」と言いながら我慢している。しかし夏のあのビールの一杯は忘れがたく、我慢の緒が切 れ、ついに手を出したのが「ノンアルコールビール」である。はじめは「こんなまずい物、飲めるか」と言いつつかすかなホップと麦芽の香に命をつなぎとめた のか、今ではすっかり習慣となってしまったようである。「こうして、毎日飲んでいると、不思議と旨くなってくるものだなー。」と本人いたって満足の様子。 この分だと解禁のときに「こんな不味いビールはのめるか。」と言いそうな雰囲気である。友人たちと一緒に飲む席にも相変わらず出席はするが、頑なに禁酒を 守っている。「禁酒といっても我慢できずビールもどきを飲んでいる以上禁酒もどきではないか。」と皮肉られたり、「一杯くらい飲んだらどうだ。」との誘惑 に「自分は、酒に意地汚く、その1杯が、2杯、3杯となる事間違いないのでやめとく。」とウーロンチャをあおるのである。タバコは「百害あって一利なし」で、酒は「百薬の長」というのであるが、いまはじっと耐えているのである。既に禁酒して2ヶ月になろうとしている。「あと1ヶ月我慢できるかなー。まだまだ暑いぞー。」

 

ダーウインの「進化論」に自然選択ということが出てく。即ち自然環境に順応する種ほど進化してゆくのであるが、人間も同じ動物である。いま日本はバブルが弾けて、25年間デフレに慣され、やっと景気が戻りそうになった時、リーマンショックとなり、再びどん底を味わい、回復しそうになったとき東日本大震災で再び低迷、加えて円高は1ドル80円を超え、70円 台に突入した。国内需要はバブル崩壊以降財布の紐は硬くなり、空洞化による失業者の増加に伴い国内消費の低迷は続き、いまや輸出頼みの経済が続いている状 況である。しかし円高は輸出への影響となることは言を待たない。この円高はリーマンショック以降にさらなる日本の疲弊を招き、さらに財政赤字は巨大化する ばかりである。本来重篤な患者であるはずで、決して円が強いはずがないのであるが、病人に鞭打つ如く襲う円高に、慣れっこになってしまったのであろうか。 このまま「ゆで蛙」の如く、衰退してゆくのか。或いは熱くなる湯から飛び出し、「危険分散」「電力確保」「コスト対応」等の大義名分によって、新たなる生 産拠点を築くべく海外へ脱出するのか、こうなると、やはり更なる空洞化を招き、経済の復興は難しい。或いは、新しい逆境という環境に耐え、新たなる進化が 始まるのかこの国は何処に向かうのであろうか。

 

日本のおかれた現状に慣れるという事は「じっと我慢する事になれてしまうと、惰性がはじまり、怠惰となる。」反対に「じっと我慢をしながら知恵を絞って新たなる改革を目指す事こそが進化である。」前者は衰退或いは退化という。

 

新たなる進化とは、エネルギー海外依存 国から、エネルギー大国への変貌こそがまさに進化であり日本再生の鍵である。東日本大震災を境に原発に頼らないエネルギーの開発が重大であり、従来何度も この問題を提起してきたが、日本近海に眠る未曾有のメタンハイドレード開発こそ新しい産業への道であり、Japaneas Dreamとなり活力が生まれ、ひいては人口増加につながるのではないだろうか。

 

「死中有活」とはこのような事なのである。

 

最も進化しなくてはならないのは政治であるはずだが、「期待せずに我慢しようか、もう慣れっこになってしまった。」とは言えないのである。

ノンアルコールビールの話からとんでもないところに話が飛んでしまった。

今日もまた暑いぞビールが旨い。

 

平成23年7月15日

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